今回は、スタッフの販売力アップにつながった、ひとつの視点をお伝えします。
いろいろ試みたが実績が上向かず、打開策に苦しむ管理職の方へ。解決へのヒ
ントになれば何よりです。
月間スケジュール表を使って、粗利改善
私が担当するある会社の販売力アップの取り組みは、一見ありきたりのものでした。
*月間スケジュール表をつくり自分の行動管理をする。
*その進捗を現地でのチェックと本社に召集しての会議で管理する。
この2点です。
開始当初の粗利は、前年比98%と低迷していましたが、開始から1年後には120
%の粗利へと改善できました。改善幅は22%です。
どこの会社でも手掛けていそうな、スケジュール表による行動管理ですが結果に結び
ついていないケースも多いのではないでしょうか。
では、違いはどこにあるのか?
行動予定と成果目標をセットで書く
月間スケジュール表というと、珍しくもなくどこでも使っているものと思われます
が、内容にひと工夫しました。
それは、ひとつひとつの行動予定すべてに、「成果目標」を加えたことです。
たとえば、
A店舗 販売スタッフの場合
行動予定=いつも利用していただいているお客様にワンランク上の商品をおすすめ
する。押し売り感のないアドバイス調の話法でわかりやすくを心掛ける。
成果目標=「相談から見積りまでを依頼される確率85%の獲得」
A店舗 店長の場合
行動予定=月末の会議で上半期の収益状況を説明する。
成果目標=「スタッフ全員の理解度を100%にする」
項目数は3~5項目程度でスケジュール化します。1ヶ月で実行できる範囲で項目数
を設定します。
成果まで踏み込んで意識する
何を重点に動くか、行動予定をはっきりさせることは大切です。ただし、自分の行動
には必ず、相手がいます。
つまり、「相手にどうなってほしいのか?」ここを明確にしなければ行動のゴールは
見えません。
行動のゴールが、「成果目標」なのです。
「それじゃ、見積りお願いしようか。よろしくね。という反応を20件もらう」とい
う成果目標がクリアできれば売上目標にグッと近づくことでしょう。
5つの行動予定があれば、それぞれ5つの成果目標があります。
最終結果はそれらを総合してついてきます。
「行動する」で意識が終わるか、「相手にどうなってほしいのか」まで意識を深めて
いくか。この視点が成否を分けます。
実績が上向かず、打開策に苦しむ時、とりがちな上司の行動は社員に新しい商品やノ
ウハウを詰め込むことです。
その前に、そもそも、今現在社員ひとりひとりが持っている「力量・知識・技術」を
100%引き出せているのか?自分で考える機会を与えているか?ここに視点を移し
てみてください。
行動と成果をセットにした月間スケジュール表は、この視点に立ったひとつの例です。
現状を打開する材料となれば幸いです。
後編へつづく、こちらをクリックしてお読みください。
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