課題解決力。
管理職から一般社員に至るまで、「今」身につけるべき仕事能力です。
目標に向かって課題をひとつひとつクリアしていける人材なくしては、生き残れない
時代だからです。掛け声だけでは、ことは一歩も前に進みません。
しかし一方で、どこか教科書的で実践とかけ離れたイメージを持つ方も多い。
また、トヨタ式課題解決に代表されるように専門書を読めば成功例は学べる。
だが、「何から手をつけていけば良いのだろう」迷ってしまうのが現実ではないでし
ょうか?
私はあるコンサル先で約6年間に渡り、課題解決の社員教育(実際の課題をもとに実
践トレーニング)に携わったことがあります。おかげさまで何人ものエリアマネージ
ジャーや本社の上級管理職を輩出することができました。
急所はどこにあるのか。
一言でいえば、考える手順に「人・物のせいにしない」という前提を入れたことです。
「人や物のせいにする」
よくあること、何を今さらと思うかもしれませんが、ここが盲点なのです。課題解決と
いう理論を前にして指導者の頭から抜け去っているケースが多いからです。
貴方の会社の管理職はどうでしょうか?
そもそも課題解決とは、「目標と現状のギャップ」あるいは「日常業務の問題と現状の
ギャップ」を解決する手法です。この重要テーマに威力を発揮します。
肝となるのは、「考える手順」です。
考える手順とは、「課題を決めて→現状を分析して→仮説をたてて→対策を決めて→
実践して→検証する」この一連の流れです。
しかし、この一連の流れそれ自体はあくまで理論です。実践レベルは生の現場ですから、
裏に潜む弊害もあります。それが、「人や物のせいにする」という水面下にある悪しき
習慣なのです。
私自身、コンサル特に店舗巡回で店長やスタッフと打ち合わせするなかで数多く見てき
ました。
「○○君がダメ、足を引っ張っている」
「店長が口ばかりで何もしない」
「会社の上層部は現場をわかっていない」
「この設備ではこれ以上は無理」・・・etc。
これでは業績アップは見込めません。
しかし、
「○○君がダメ、足を引っ張っている」
これは、チームワークの視点から考えを進めていく。
人のせいにしないで、チームとして考えを展開する。
そうすると、役割分担をつくる、あるいは見直してみる、など”対策”が見えてきます。
前提を入れることで、人の問題から組織の問題へと頭が切り替わり具体的な行動が決まり
ます。
「人や物のせいにしない」を組み込むことで、社員は自然に受け入れることができます。
考える手順として理解するからです。
そこではじめて、課題解決力が社員のノウハウになるのです。
これは私のコンサル経験から得た持論です。ほとんどの専門書には書かれてませんが、あ
えてお伝えしています。人材育成に行き詰りを感じていらっしゃる方は、いろいろな角度
から参考にしてみてください。・・・・・きっと次の扉が開けるでしょう。
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